『犬は散歩が大好きなもの』
多くの人は、犬に対してそのようなイメージを持っているのではないかと思います。
でも、中には散歩が苦手な犬もいるのです。
散歩が苦手な理由は、犬によってそれぞれ違います。
そして、その犬が散歩を苦手と感じている原因さえ取り除いてあげれば、散歩に対する苦手な意識を少しずつ変えてあげることができるのです。
こんにちは、アズワン高木です。
三歳のトイ・プードルの男の子『まめくん』のレッスンも今回で五回目。
後半戦に突入です。
今回のレッスンからは、屋外でのトレーニングが中心となります。
五回目の今日のレッスンは、まめくんが毎日お散歩で歩いているコースでのお散歩トレーニングを飼い主さんとまめくんに楽しんでもらいました。
飼い主さんのお話によると、まめくんはあまりお散歩が得意ではないとのこと。
散歩中にすれ違う犬に吠えてしまったり、苦手な場所で立ち止まってフリーズしてしまう…散歩中のまめくんには、そんな行動があるそうです。
でも、大好きな公園に行くと、とても楽しそうに広場を駆け回る…まめくんにはそんな一面もあるそうです。
だから、きっとまめくんは、外もお散歩も大好きなはずなのです。
ということで、まめくんがお散歩を楽しめるわんこに変身するためのお散歩トレーニングスタートです！
玄関から家の前の私道に出ると、まめくんはすぐに警戒モードオンの状態になりました。
頭上を見上げたり、周囲をキョロキョロと見回したり、空気を伝わって流れてくるたくさんの情報を必死にキャッチしようとしています。
家の外の刺激に晒されることによって、まめくんの緊張は一気に高まっていきました。
まずはまめくんの緊張を緩めて、その場に慣れてもらうために、飼い主さんからまめくんに大好きなレバーケーキ(レバーから作ったトレーニング用のおやつ)を食べさせてもらいました。
犬だけでなく人間も同じですが、どんなに好きな食べ物が目の前に置かれていたとしても、緊張や興奮が高まっているとそれを食べることができなくなります。
いつでもどんな場所でもしっかり物を食べることができるようにすることは、実はとても大切なことなのです。
そこが苦手な場所だったとしても、その場所で大好きなおやつを食べさせることによって、少しずつその場所に対する苦手意識を薄めていくことが可能となります。
苦手な場所に対する犬の感情を少しずつ変化させてあげて、自信を持たせて、犬の行動を変えていくのです。
NLP等の人の心理学でもよく言われることですが、『行動を変えるためにはまず感情から変えていく』ことが大切です。
始めのうちは苦手な場所でおやつを食べることができなかったまめくんですが、徐々におやつを口にすることができるようになっていきました。
そして飼い主さんには、おやつを持った手でまめくんを誘導してもらい、少しずつ歩かせていくようにハンドリングしてもらいました。
以前のレッスンで何度も練習した手へのターゲットトレーニングの成果は、こういった場面で活かすことができるのです。
歩いているうちに、またまめくんが苦手なエリアに入って固まってしまったら、その場所に慣れさせながら大好きなレバーケーキを食べさせていきます。
犬が何度も何度も止まってしまったとしても、慌てる必要はまったくありません。
犬が動かなくなってしまったら、犬の感情とペースに合わせてまた少しずつ歩いていけば良いのです。
飼い主さんも犬も、どちらも無理をする必要はなく、毎日歩ける距離だけ歩いていきます。
最初は短い距離で大丈夫です。
「外は怖くない！ 散歩は楽しい！」
犬がそう思ってくれるようになれば、散歩の距離は自然と伸びていきます。
焦らず慌てず、愛犬を外の世界に慣らして行きます。
飼い主さんの焦りは、すぐに犬に伝わってしまいます。
まずは飼い主さんが『何があっても慌てない』ようにすることが、楽しいお散歩をするための重要なポイントです。
今日のレッスンで、まめくんは少しだけ苦手な場所を克服することができました。
飼い主さんのハンドリングもバッチリ！
今日から毎日飼い主さんとお散歩練習をすることによって、次回のレッスンの時には、まめくんはもっともっとお散歩を楽しむことができるわんこになっているはずです。
asone : j.takagi
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