外でのマテは高難度【ao-tr-0017】

まったく同じ行動であっても、他に誰もいない自分の部屋でそれをするのと、大勢の人がいる初めて入る大きな会場でそれをするとのでは、その行動の難度には雲泥万里のあります。
まったく同じ行動であるはずなのに、不思議なものですね。

こんにちは。アズワンの高木です。

例えば、結婚式のスピーチ。
自宅の部屋での原稿を読みながらの練習では「まぁまぁかな…」と自分なりにOKを出すことができたのに、いざ本番！となると…たくさんの人、普段の生活の中では当てられることないスポット照明等々、慣れないものだらけのその場の空気感に飲まれてしまい、想像よりもひどい出来になってしまった…なんて経験が誰でも一度くらいはあるのではないかと思います。
そうなんです、まったく同じ行動をするにしても、慣れている環境でするのと慣れていない環境でするのとでは、その二つはまったく別の行動になってしまうのです。

これは人間だけではなく、犬にも言えることなのです。
家ではフセができるのに、公園でフセをさせようとしても全然できない…そんな愛犬の行動に首を傾げている飼い主さんも少なくないのではないかと思います。
でも、それは決して不思議なことではないのです。
実は、結構当たり前のことだったりするのです。
なぜ家の中ではフセできるのに公園ではできないのか…それは…

『家の中ではフセの練習をしているけど、公園ではフセの練習をしていないから』

それが理由です。
家ではたくさん練習しているからフセできるけど、公園ではぶっつけ本番になっているからフセできないという訳です。
人間の結婚式のスピーチと一緒です(笑)
ということで、トイプーまめくんの7回目のレッスンは、公園でのマテ練習を楽しんでみました。

今回は公園でのレッスンということで、最寄の駅までクルマでお迎えにきてもらいました。
運転は、もちろんまめくんです！

もちろん冗談です(笑)

まめくん、家の中でのマテは既に完璧です。
飼い主さんが離れても、周りを回っても、一分間は微動だにせず待っていられます。
家の中でのマテがそのレベルに達していたら、屋外の刺激の強い場所で練習を重ねて、普段の散歩やお出掛けのときに実践できるようにしていきます。

家の中でできるようになったマテを外でもできるようにするためには、また新たな行動を犬に教えるつもりで地道に何度も何度も練習を繰り返すことです。
近道はありません。
犬の様子をしっかりと観察しながら、犬ができるレベルをきっちりと見極めて、トレーニングを進めていきます。
外には犬にとって魅力的な刺激、嫌いな刺激がたくさんあります。
外での練習では、犬が周りにある刺激に気を取られてしまったり、集中力が切れてしまったりしないように注意が必要です。
犬がしっかり結果を出せるように、犬ができるレベルのトレーニングを短時間で集中して行っていきます。
最初からトレーニングのレベルを高くしすぎて犬に失敗を繰り返させてしまうと、犬のやる気はあっという間に急降下していきます。
一度落ちてしまった犬のやる気のリカバリーは、かなり大変な仕事となってしまいます。

そうならないように、トレーニングの初期段階では一瞬でも待てたら犬を褒めてご褒美を与えます。
外でのマテは、それくらい難しいのです！
犬の目の前でしゃがんで、マテの合図を出して犬を待たせます。
そして、犬を待たせる時間を徐々に、そしてランダムに延ばしていきます。

まめくんの場合、自分に向かって歩いてくる人や犬をかなり遠くにいる段階から気にしてしまいます。
一度そちらに気を取られてしまうと、鼻鳴きしたり唸ったりして集中力が切れてしまいます。
それがまめくんの大きな課題でもあります。
ただ、まめくんは状況に慣れると集中力が上がっていくタイプなので、レッスンの後半のほうが調子が良いことが多いのです。
今日のレッスンでも後半に集中力が上がってきて、飼い主さんが立ち上がっても、飼い主さんが離れても待っていることができるようになりました。
最終的には、飼い主さんが10メートル離れた状態で20秒間待つことができました。
まめくんは外の刺激に経過して反応しやすいのですが、今日は予想以上に頑張ってくれました！
これから屋外でマテの練習を繰り返すことによって、まめくんは待つ時間も離れる距離ももっともっと延ばせるはずです。

そして、レッスンの後はお楽しみ♪
頑張ったまめくんには、ロングリードで広い公園の中を思いっきり走って楽しんでもらいました。

走る犬を見ていると、本当に清々しい気持ちになります。