今年もフィラリア予防薬の投薬開始の季節がやってきました。
アズワンのエマも無事に検査を終えて、5月末からフィラリア予防薬を飲み始めています。
エマが飲んでいるのは、こんな薬です。
見た目がまるでおやつのようですよね。
見た目だけでなく、おやつのようなにおい付けもされている薬なので、何の苦労もなくエマに投薬することができます。
本当に便利な世の中になりました。
さて、このフィラリアの予防薬の投薬スケジュールですが、アズワンの所在地である埼玉県草加市周辺では、毎年5月から12月までの月一回、合計8回の予防薬服用というパターンが多いようです。
なぜ5月から12月の間に予防薬を飲ませるのかというと、フィラリアを媒介する蚊は4月から11月(時期は地域により異なります)に発生するためです。
あれっ? 蚊の発生時期と薬の服用時期が一ヶ月ずれてるけどいいの?
そうなんです。
蚊の発生時期と薬の服用時期は一ヶ月のずれがあるのです。
でも、それで良いのです。
なぜかと言うと…
毎月犬たちが飲んでいるフィラリアの薬は予防薬と呼ばれていますが、実際にはフィラリアの幼虫を駆虫する薬です。
薬を飲めばフィラリアが体内に入り込むのを防ぐことができるという訳ではなく、犬の皮下や筋肉に入り込んだ幼虫を薬の力で駆除するしくみになっています。
そして、このフィラリア予防薬が完全に駆除できるフィラリアの幼虫は、犬の体内に入って一回目の脱皮を終えた移行幼虫(L4)と呼ばれる幼虫だけなのです。
犬の体内に入った直後の幼虫は、移行幼虫(L3)と呼ばれています。
この移行幼虫(L3)が脱皮して移行幼虫(L4)へと成長する時期は、蚊によって犬の体内に運ばれた3日~10日後となります。
そして、移行幼虫(L4)は50日~70日後に移行幼虫(L5)となり、犬の血管に入り込んで肺動脈へと流れされていきます。
薬で駆除できるフィラリアの幼虫は移行幼虫(L4)なので、犬の体内に入り込んだ3日~10日後から50日~70日後の間(フィラリアが移行幼虫(L4)でいる間)に薬を飲ませて駆虫すれば良いということになります。
そのため、蚊の発生時期と薬の服用時期には一ヶ月のずれがあるのです。
シーズン最後の投薬は12月末頃となり、蚊はもうほとんど見ることもありません。
でも、12月の上旬、たまたま生き残っていた蚊に刺されてしまったら…もしその蚊がフィラリアの幼虫を体内に持っていたら…そして、「もう蚊もいないから大丈夫だろう」と油断して犬にフィラリア予防薬を飲ませなかったら…大変なことが起こってしまいます。
実際に、シーズン最後の薬を犬に服用させなかったがために、フィラリアで亡くなってしまう犬もいるそうです。
愛犬をフィラリアから守るため、シーズンの最初から最後まで、きっちり忘れずに薬を投薬してあげましょう。
また、フィラリア薬を投薬する前には、必ず動物病院でフィラリアの検査を受けてください。
既にフィラリアに感染してしまっている犬に予防薬を与えると、ショック状態に陥ることもあり、非常に危険です。
愛犬の健康は、飼い主さんがしっかり守ってあげてください。
asone : j.takagi