子犬には、これから人間の世界で生活していくために勉強しなければならないことがたくさんあります。
トイレでの排泄、留守番、おもちゃ以外のものを噛まない、掃除機やインターフォンにに吠えない、外の環境に慣れる等々…子犬に勉強を教える優しい先生は、もちろん飼い主さんです。
こんにちは。アズワンの高木です。
子犬のしつけ本やインターネットしつけサイトには、『愛犬が子犬のうちに教えておくべきこと』的なタイトルで、子犬のしつけやトレーニングについてたくさんの情報が載せられています。
それらの情報は、確かに子犬のしつけ、社会化にとって大切なものばかりです。
じゃあ早速!ということで、その本やサイトに載っているとおりに子犬のしつけを始めてみるのですが…これがなかなかうまくいかない…というケースも多々あるかと思います。
犬種の特性や個体差に依るその犬の行動のクセ、雪崩式に発生する予想外の行動等、子犬が本に書かれた文章のとおりに行動することはまずありません。
中にはとても聞き分けの良い子パピーもいますが、文章で読むほど子犬のしつけは簡単でないケースが多いように感じます。
子犬と正面から向き合って付き合うためには、まずしっかりとその子犬の行動を観察することが大切です。
そして、その観察結果から子犬の行動を事前に予測することができるようになります。
それによって、子犬の行動から起きる問題を未然に防いだり、子犬に行っていくしつけやトレーニングの優先順位を決定していくことが可能となります。
今日から一緒にトレーニングを始める生後四ヶ月のジャックラッセルテリアのフィービーちゃんにも、いろいろな行動特性があります。
その行動特性は、ジャックラッセルテリアの持つアビリティやフィービーちゃんの性格に依るものなど、いろいろな要素から形作られています。
同じ性別の同じ犬種であっても、まったく同じ性格で同じ行動を取る犬は二頭といません。
そして、子犬は日々その行動が変わっていきます。
それが子犬の難しさでもあるのですが、子犬を育てる楽しさでもあるのです。
飼い主さんがお困りのフィービーちゃんの行動はいくつかあるのですが、まず最初に噛む行動を直してたいとのご希望があったので、今日は噛む行動の抑制トレーニングを飼い主さん、フィービーちゃんと一緒に勉強しました。
犬の噛む行動と一口に言っても、その状況や理由は様々です。
フィービーちゃんの場合、飼い主さんと一緒にソファで寛いでいるときに突然興奮して噛み始めるということでした。
飼い主さんから伺ったその時の状況やフィービーちゃんの様子から推測すると、フィービーちゃんの噛む行動は遊びの一環として行われているようでした。
子犬の噛む行動というと、多くの人は甘噛みを想像するかもしれませんが、テリア種のように小動物を捕殺する犬種は遊びの中で甘噛みよりも強く噛む場合があります。
親犬や兄弟犬のとの遊びの中で限度を超えた強さで噛むと、噛んだ犬は相手の犬から叱られたり無視されたりすることになります。
相手から叱られたり無視されたりすることによって、犬は噛む強さを加減することを覚えていきます。
犬だって叱られたり無視されたりすることは嫌なわけです。
じゃあ人だって噛まれたときには叱ればいいじゃないか!と誰もが考えるのですが、これがなかなか難しいのです。
犬の世界には『手で叩いて叱る』という概念はありませんから、如何なる場合でも叩いて犬を叱ることは厳禁です。
犬を叩くと人の手を怖がるようになる可能性もありますし、更なる反撃(噛む行動)を誘発する可能性があります。
それなら声で叱ればいいのでは?という発想になるのですが、声で犬を叱るのは結構難しいのです。
犬を声で叱る場合は、低い声で叱ると効果的なのですが、これが結構難しいのです。
多くの飼い主さんは、犬に向かって怒鳴ってしまうことが多いのではないかと思います。
大声で怒鳴ることによって噛むことを止める犬もいますが、怒鳴り声を遊んでくれていると認識したり、応援されていると勘違いする犬もたくさんいます。
怒鳴り声を遊びや応援と犬が認識した場合は、更に噛む行動が激しくなる危険があります。
テンションの高い状態で遊びながら噛む犬に対しては、声で叱ってもまったく効果がないこともあります。
ではどうすれば良いのか…というと、遊びで噛んでくる犬に対しては、噛まなくなるまで無視をすれば良いのです。
噛んだら相手にしない…目も見ず、声も掛けず、体にも触らず…家族全員がこれを徹底します。
犬が完全に噛まなくなるまでは時間は掛かりますが、これを徹底することによって遊びの中での噛む行動は徐々に無くなっていきます。
群れで生活する動物は、家族や仲間から無視されることを恐れます。
無視は、死に直結するからです。
「噛むと無視されるのなら、もう噛むのは止めよう」と、犬の感情を変化させて、その行動を変えていきます。
これがもっとも安全な犬の噛みグセを抑制する方法のひとつです。
詳細については、以前にブログの記事に起こしたものがあるので、こちらをご覧になってください。
そして、人の手を好きになってもらうために、フィービーちゃんにも手を使ったターゲットトレーニングを体験してもらいました。
楽しみながら飼い主さんの手と触れ合うターゲットトレーニングによって、人の手は噛むものではなくて優しくて大好きなおやつをくれるものとイメージを変えていってあげます。
子犬の集中力が長くは続かないので、飽きないように良いテンポを作ってあげることが大切です。
フィービーちゃん、ターゲットトレーニングをとても気に入ってくれたようです!
そして、今日はフィービーちゃんのお散歩デビューの日!
フィービーちゃん初めてのお散歩に同行させてもらいました。
初めての外の地面を一歩一歩確かめるように、フィービーちゃんはしっかりと歩きました。
人や犬とのすれ違い、拾い食い防止、ヒールウォーク(脚側歩行)等、散歩トレーニングもこれからやっていく予定です。
でも、まずはいろいろな物や外の環境に慣れることを最優先にして、フィービーちゃんが楽しんでお散歩できるようになってくれればいいな…と思っています。
子犬はあっという間に成長して、短期間で外見や行動がどんどん変わっていきます。
次回のトレーニング、フィービーちゃんがどのように成長しているかがとても楽しみです!
asone : j.takagi
犬のトレーニングに興味がある方、愛犬の行動にお悩みの飼い主さん、お気軽に『ドッグトレーニング アズワン』にご相談ください。
愛犬と楽しみながらトレーニングしてみませんか?
お問い合わせは、こちらのページからお願いいたします。