日本人には最も馴染みのある(はずの)犬、『柴犬』。
国の天然記念物にも指定されています。
柴犬は、日本固有の6犬種の中で最も小さく、そしてもっとも古くから存在していたと言われている犬種です。
オオカミの血を色濃く受け継ぐ古代犬ですが、古代犬であるが故にそのルーツは謎に包まれています。
よーく知っているつもりの柴犬、実は知らない事だらけ、謎だらけだったりするのです。
こんにちは。
アズワンの高木です。
犬の散歩に出掛けるたびに必ず一度は擦れ違うと言っても大袈裟ではないくらい、柴犬はたくさんの家庭で飼われています。
僕の住む街にもたくさんの柴犬がいるはずなのに、なぜかアズワンには柴犬の飼い主さんからのトレーニング依頼がなかなか来ず…
トレーニングの手伝いに行っている犬の保育園で柴犬と触れ合うたびに、「柴のトレーニング依頼、来ないかなぁ…」なんて思ったりしていました。
そしてついにその願いが通じたのか、柴犬のトレーニング依頼をいただくことができました。
アズワン初の柴犬の生徒犬、生後6ヶ月の男の子『ニハチくん』です。
今日はアズワンとしては初めての柴犬とのレッスンということで、ワクワクしながらニハチくんに会いに行ってきました。
実際に会ったニハチくんは素直で人懐こい気質を持った柴犬で、短い時間のふれあいでもすぐ僕に慣れてくれました。
そんな明るく元気なニハチくんですが、飼い主さんにしてみたら少し困った行動が出始めているとのこと。
その行動は散歩中に出るということなので、飼い主さんと一緒にニハチくんを連れて散歩に出かけてみました。
すると…
まだ散歩を始めたばかりの若い犬にはよくある行動が、ニハチくんにもしっかりと出ていました。
引っ張り、立ち止まり、匂い嗅ぎ、興味を持った人へと近づいていく行動…まだ散歩に慣れていない犬のこういった行動は、時に飼い主さんを深く悩ませることになります。
散歩中に起きるこれらの犬の行動、ついついリードを引っ張って犬を誘導したくなるのですが、それではなかなか思うように犬は動いてくれないものなのです。
飼い主さんのご自宅は人通りの多い賑やかな通りに面しています。
ニハチくんが散歩に出掛ける時はその賑やかな場所を通ることになるのですが、まだ散歩に慣れていないパピー~ジュニアの犬が散歩を練習する場所としてはあまり適しているとは言えません。
散歩で出会う人や犬、散歩中に流れてくる匂い…犬にとってそれらはとても魅力的な刺激で、刺激が多ければ多いほどその場所での散歩は難しいものになります。
散歩を始めたばかりの犬が散歩の練習をするのであれば、人や犬がいない静かで匂い等の刺激が少ない場所から練習を始めることが成功への第一歩です。
そんな訳で、飼い主さんとニハチくんには一度自宅に戻ってもらい、敷地内の広い場所でお散歩トレーニングに取り組んでもらいました。
犬との散歩で大切なのは、飼い主さんがいつでも自由自在に犬の注目を自分に向けられるようにすることです。
家の中で犬の注意を引き付けることはさほど難しくありませんが、刺激たっぷりの外の環境では犬の気を引くことが段違いに難しいものになります。
外の環境で犬を確実に注目させるために、まず屋外でのアイコンタクトをしっかりできるようにしておくことが重要です。
最初はいろいろなツールの力を借りる必要があるかもしれませんが、繰り返すことによって合図だけでしっかりこちらを注目してくれるようになります。
犬が注目してくれるようになったら、そのまま一歩歩いて褒めて、一歩歩いて褒めて…地味なトレーニングですが、これが後に大きな花を咲かせることになります。
同じ練習ばかりを延々と繰り返すと人も犬もだんだんしんどくなってくるので、途中で犬をオスワリさせたりフセをさせたり、おやつを食べさせたり安全な場所でおもちゃ遊びをしたり…と、外でも飼い主さんと一緒にいるということを意識させていってください。
ニハチくんも飼い主さんと一緒に散歩練習を繰り返すことによって、少しずつ飼い主さんと並んで歩くことを覚えていってくれました。
『飼い主さんと一緒に歩く』というルールさえりっかり伝えることができれば、その後はあっという間に散歩らしい散歩を楽しんでくれるようになります。
次に会うときには、更に上手に飼い主さんと歩けるようになっているはずです。
楽しみですね。
ニハチくん、また遊ぼうね!
柴犬は扱いづらい…というイメージを持っている人は少なからずいるのですが、決してそんなことはありません。
寧ろ柴犬の思考や行動は、他の犬種と比べてもとてもシンプルなものではないかと思うのです。
僕自身は柴犬を飼った経験はなく、アズワンとして柴犬をレッスンさせてもらったのも今回が初めてのことでしたが、これまでに接してきたたくさんの柴犬たちを見ていると強くそう感じます。
一時は絶滅しかかったこともある柴犬ですが、限りなくオオカミに近いDNAを持つこの犬種には今もしっかりと古代犬の血が引き継がれている…柴犬に接するたびにそう思うのです。
これからもたくさんの柴犬と接する機会があるといいな…ニハチくんと飼い主さんが楽しそうにお散歩練習をする姿を見て、思わずそう願ってしまいました。
asone : j.takagi
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