昨年末にトレーニングさせてもらった白ポメとろろちゃんの飼い主さんから、半年振りにご連絡をいただきました。
そして、また一緒にトレーニングさせてもらうことになりました。
昨年のトレーニング時は生後3ヶ月だったとろろちゃん、現在は9ヶ月齢に成長してこんなに大きくなりました。
トレーニングさせていただいた犬の成長過程を自分の目で見て確かめることができることは、本当に嬉しく楽しいことです。
犬は本当に驚くようなスピードで大人になっていきます。
それだけに、パピー期、ジュニア期のしつけ、トレーニングは、犬にとって大切な財産となるのです。
白いポメラニアンのとろろちゃん、6ヶ月前には「お散歩中すぐに立ち止まってしまうので、しっかり歩けるようにしたい」というご依頼を飼い主さんからいただいてトレーニングさせてもらいました。
生後3ヶ月当時のとろろちゃんは、家の外の環境にまだ慣れていなかったために、散歩中に固まって動かなくなってしまっていたのです。
が、しかし…今回の飼い主さんのご依頼は、「散歩は大好きになって歩くようになってくれたんですけど、今度は引っ張るようになってしまって…引っ張りを止めさせたいんです」という内容でした。
たった6ヶ月の間に、とろろちゃんの散歩中の勘定と行動は大きく変わったのです。
たったの6ヶ月間ですが、成犬になる前の子犬にとっては大きな6ヶ月です。
愛犬の行動に気になる変化が見え始めたら、できるだけ早めにトレーニングを始めることが大切です。
早ければ早いほど、その後の愛犬との生活における飼い主さんの負担は軽くなります。
生後3ヶ月の頃のとろろちゃんは、外で見るもの、聞くもの、触れるものに慣れていなかったために動けずに固まっていましたが、生後9ヶ月齢へと成長したとろろちゃんは、飼い主さんの努力によって外の環境にも慣れて、何に対しても怖がることなく歩けるようになりました。
でも、今度は逆に、見るものすべてに対して湧き上がる好奇心と走りたい遊びたいという強い衝動に駆り立てられて、前へ前へと飼い主さんを引っ張りながら進むようになったのです。
犬はなかなか人間の思惑通りには動いてくれないのですが、これは散歩に慣れ始めた犬によく見られる行動です。
犬が散歩を楽しみ始めていることの現れでもあります。
ただ、この行動はそのまま放っておいてもなかなか改善しないものです。
以前に何度か個人のブログでも記事にしたのですが、散歩中の引っ張り行動抑制およびヒールウォーク(脚側歩行)については、いろいろな考え方やトレーニングの方法があります。
理想としては、犬がハンドラーとなる人の左側(もしくは右側)に常にぴたりと着いていてくれると最高です。
そして、どんな状況でも犬がハンドラーの目を注視していてくれれば、もう何も言うことはありません。
でも、実際には家庭犬にそこまで厳密なヒールウォークは必要ないと僕は考えています。
散歩中に前後左右に引っ張ったり走り出したりしないで、地面に落ちているものを口に入れたりせず、名前を呼んだ時に人の目を見てくれる…ここまでできれば十分だと思っています。
まずは、人の左側(右側)を犬に好きになってもらうこと、これが大切です。
犬の大好きなものを使って、飼い主さんの側に着くことを教えてあげてみてください。
そこにいれば良い事が起きると犬が理解すると、犬は自然とそこに居続けるようになります。
それが習慣化すれば、おやつやおもちゃも必要なくなります。
ただ、これを習慣化するのはとても時間がかかる作業なので、飼い主さんの根気と努力が必要になります。
毎日諦めずにトレーニングを続ければ、きっと犬はそこが自分のベストポジションであるということを認識するはずです。
とろろちゃんにもそのような行動があるのですが、地面に落ちているものを口の中に入れてしまう犬の拾い食い防止の練習も同様です。
地面から物を拾って口の中に入れるよりも、もっと良いことがあると教えてあげればいいのです。
最初は物が少ない場所で練習して、徐々に誘惑の多い場所でトレーニングをしていきます。
そして、名前を呼んで犬の意識をいつでもこちらに向けることができるようにアイコンタクトのトレーニングもしておきます。
犬の集中が切れそうになったとき、名前を呼んでこちらに意識を向けられるようにしておくと、散歩中にそれを使える場面がきっとたくさんあるはずです。
犬の名前を呼んで犬がこちらを見たら、そこで褒めてご褒美を与えます。
それを繰り返すことによって、飼い主さんを注目することができるようになっていくのです。
この二つのトレーニングをするだけでも、散歩中の犬のコントロールが格段にスムーズになっていくはずです。
それと、もうひとつ大切なことがあります。
それは、犬が引っ張ったとしてもリードを強く引き返さないということです。
犬はリードを使って体を引っ張られると、倒れないようにバランスを取るために引っ張られた方向の逆方向へと更に引き返します。
ハンドラーとなっている人間と犬の間でこの引っ張り合いが続くことにより、犬の引っ張りる行動は更に激しくなっていきます。
そして、引っ張り合いによってカラーやハーネスを装着している部分が絞まり、犬の興奮は高まっていきます。
犬の引っ張る行動をなくすためには、リードを常に弛ませておくことが重要なポイントとなります。
犬の性格やその場の状況によってハンドリングのコツやタイミングが難しい場合がありますので、練習してもなかなかうまくできない場合は、信頼できるドッグトレーナーにご相談ください。
今回のトレーニングで飼い主さんととろろちゃんには、引っ張らないお散歩トレーニングを楽しく勉強してもらいました。
次に会うときには、きっと上手にお散歩できるようになっているはずです!
何よりも飼い主さんとわんちゃんが楽しくトレーニングすることが大切ですね。
asone : j.takagi