こんにちは。
アズワンの高木です。

僕は今年の7月から、TSR-Team Schnauzer Rescue-(チーム・シュナウザー・レスキュー)というシュナウザーのブリードレスキューチームに参加させてもらっています。
ドッグトレーナー業の傍ら、TSRメンバーの皆さんと協力しながら大好きなシュナウザーの保護活動を日々行っています。
TSRでの保護活動にはいろいろな役割があるのですが、僕はチームの中で保護犬の預かりを担当させてもらっています。
預かりの役割は、基本的には保護されたシュナの自宅での預かり~里親募集~お見合い・トライアル~里親さんへの預かりシュナの引渡しまでとなっています。
場合によってはセンターや引取り先に出向いて保護シュナを迎えに行くこともありますが、他のTSRメンバーやボランティアさんのフォローがあるので、安心して無理なく活動することができます。

僕のプライベートブログ“Solid Bond in Our Hearts”ではその様子を随時お伝えしていたのですが、8月中旬~10月末までの約二ヵ月半の間、アズワンで僕の初めての預かりっ子シュナの一歩くんが生活していました。
嬉しいことに一歩くんはすぐに良いご縁が繋がり、現在は新しい飼い主さんと幸せな生活を送っています。
一歩くんとエマを含めた僕達家族の共同生活の様子は、前出のブログでできる限り克明にご紹介してきたつもりです。
克明にご紹介したつもりなのですが、プライベートブログに綴った記事は、あくまでもTSRの預かり担当目線から見た一歩くんの預かり日記でした。
僕はTSRの預かり担当なのですが、それと同時にドッグトレーナーでもあります。
そんな理由もあって、一歩くんに出会った瞬間から僕はドッグトレーナー目線でも彼を見ざるを得なかったのです。
職業病というやつですね。
「一歩くんをただ預かるだけでなく、しっかりトレーニングを入れてから里親さんにお渡ししよう」
一歩くんをお預かりして自宅に連れ帰った翌日、一歩くんのいろいろな行動を見てそう考えて、TSRの許可をもらってトレーニングを始めることにしました。
そう考えた理由は二つ。
一つは、一歩くんの家庭犬として問題になりそうな行動を抑制して、将来の可能性を少しでも広げてあげたいという気持ちから。
もう一つは、目の前にいる最高のトレーニング素材をドッグトレーナーとしてみすみす見逃すなんてできなかったから(笑)

ドッグトレーニング アズワン(Dog Training asone) 埼玉県草加市川口市・八潮市・三郷市・吉川市・越谷市・春日部市・松伏町・東京都足立区周辺の犬のしつけ(出張トレーニング)・しつけ教室(グループレッスン)・ペットシッター(犬の散歩代行等) ~アズワンのドッグトレーナーが飼い主さんと愛犬の『絆作り』をお手伝いさせていただきます~ ※ミニチュアシュナウザー

そんな訳で、僕の預かりっ子だった二ヵ月半の間、一歩くんは毎日頑張ってトレーニングを積み重ねていました。
一歩くんの卒業が思いの外早かったので、限られた時間の中でのトレーニングとなりましたが、新しい生活が始まったときに里親さんと一歩くんに大きなストレスがかからないように、大きな問題を少しでも小さくすることを最優先にトレーニングを進めていきました。

せっかくなので、そのトレーナー目線から見た一歩くんの記事もブログに残しておくことにしました。
何回の連載になるかはわかりませんが、複数回に分けて記事にしていくつもりです。

今回は、たくさんの飼い主さんが悩んでいると言われてるこの犬の行動について。

【マーキング】

一歩くんをお預かりする前の事前情報のひとつとして、一歩くんのトイレスタイルは『外でも室内でもOK!』という情報をもらっていました。
そんなこともあって、一歩くんのトイレに関しては特に心配も特別な準備もしていませんでした。
でも、一歩くんを自宅に連れ帰ってリビングに入れてみると、残念ながらその事前情報はかなり輪郭を曖昧にした話だったということが判明しました。

リビングに入った一歩くん、部屋の隅に設置されていたタワー型の空気清浄機に向かって徐に後ろ脚を上げたのです。
事前情報にはなかった一歩くんのその行動に虚を衝かれましたが、職業柄のおかげで反射的に手を出して一歩くんの腰にタッチすることができたので、空気清浄機をおしっこシャワーから守ることができました。
その後、とりあえず排泄だけさせようとサークルで囲われたトイレに一歩くんを誘導すると、今度はサークルに向かって脚上げ行動を…
別の犬のにおいがする初めて入る部屋という事がその理由なのだと思いますが、一歩くんは室内にある縦に長いものすべてに対してマーキング行動を行うシュナだったのです。

その後、リードをつけて周囲に高さのあるものがない場所に置いたトイレトレーの上に誘導すると、そこでは腰を落とした状態で排泄してくれました。
確かに室内のシートでも排泄はできる…事前情報は間違いではないけれど…うーん…
釈然としない気持ちになりましたが、その件は一旦忘れて、まずは一歩くんのマーキング行動をどのように抑制していくのかを前向きに考えることに注力しました。

僕がお預かりした時点での一歩くんの年齢は8年と7ヶ月…一歩くんのマーキング行動は昨日今日始まったものではなく、長い年月を経て定着した習慣です。
ここまでがっちりと強化された行動を消し去ることは容易ではない…というだけはすぐにわかりました。
『去勢手術をするとマーキングしなくなる』とよく言われますが、厳密に言うとそれは正しい表現ではありません。。
『マーキング行動を始める前に去勢手術をするとマーキング行動をする可能性が低くなる』と言ったほうが正しい表現になるのではないかと思います。
一歩くんは未去勢の♂ですが、今の一歩くんが去勢手術を受けてもマーキング行動はなくなりません。
学習して定着してしまったマーキング行動は、それくらいのことでは消去されることはないのです。
それなりにしっかりと、マーキング行動消去のトレーニングが必要になります。
ということで、ウチでお預かりして一番最初に始めたのがマーキング行動消去のためのトレーニングでした。

マーキング行動と一口に表現しても、その行動の特徴は犬によって様々です。
したがって、トレーニング方法もその犬の行動のクセや特長によって変わってきます。
♀でもマーキングする子はいますし、おしっこではなくうんちを使ってマーキングする子もいます。

一歩くんのマーキングと排尿行動の大きな特徴は以下のとおりです。

1. 脚上げ行動は必ずにおい嗅ぎから始まる
2. クレートや寝床として使用するサークルの中では絶対に排尿はしない
3. 朝晩の一日二回排尿すればそれ以上は排尿せずにいられる
4. トイレシートや路上で腰を落とした状態で排尿することもできる

上記1~4の特徴を利用して、一歩くんとマーキング行動消去のトレーニングを進めていきました。

そして、念のために…ということで、生まれて初めてこれを購入しました。

ドッグトレーニング アズワン(Dog Training asone) 埼玉県草加市川口市・八潮市・三郷市・吉川市・越谷市・春日部市・松伏町・東京都足立区周辺の犬のしつけ(出張トレーニング)・しつけ教室(グループレッスン)・ペットシッター(犬の散歩代行等) ~アズワンのドッグトレーナーが飼い主さんと愛犬の『絆作り』をお手伝いさせていただきます~ ※ミニチュアシュナウザー

マナーバンドです。
室内での物に対する排泄を抑止するために購入したのですが、最終的にはマナーバンドの使用が大きな効果をもたらしてくれました。
本来、マナーバンドというものは人間がマーキングからの防御のために使うものですが、攻撃的に使うことによって更に有効なツールとなるということを一歩くんとのトレーニングによって知りました。
攻撃的に!とは言っても、これを使って犬を叩くということではありませんので…念のため。

最初に徹底したのは、室内でも屋外でもにおい嗅ぎからの脚上げを絶対にさせないということです。
一歩くんの場合、脚上げ行動を完全に封じ込めれば、マーキングによる排泄を100パーセント防ぐことができます。
まず室内の環境設定として、一歩くんの居住エリアになる場所からは、縦に長いものはすべて撤去しました。
空気清浄機、サークル、カーテン、すべて撤去してマーキングさせない環境を作りました。
一歩くんは寝床となるサークルの中では高さのあるものに対しても決して排尿することはなかったので、この点はとてもトレーニングを楽なものにしてくれました。
そして散歩中は、壁、電柱、標識のポール、背の高い木に対してのにおい嗅ぎを禁止して、地面のにおい嗅ぎだけを許可しました。
これを徹底することによって、一歩くんの排泄を地面へのと誘導することができました。
室内のトイレシートでの排泄は、トイレトレイへ誘導して時間をかけて促してもしないことが多かったので、とりあえず保留にしました。
一歩くんは朝晩の散歩で一日二回排泄するとそれ以上は排泄をしなかったので、その一歩くんの排泄サイクルもこのトレーニングに有利に作用しました。

マナーバンドを併用しながらこのトレーニングを続けたところ、4日目には僕の自宅内での脚上げは行動はなくなりました。
ただ、動物病院の待合室等、自宅以外の室内に入ると背の高いものに向かって脚上げモーションを起していたので、まだ完全に一歩くんのマーキング行動を消去できたわけではないということがわかりました。
もちろん短期間のトレーニングだけで簡単にマーキング行動が消えるとは考えていなかったので、引き続き同じトレーニングを継続しながら、数日後に受ける去勢手術によって一歩くんのマーキング行動にどのような変化が起きるのかを確認することにしました。

去勢手術から5日後、まだ抜糸前だったのですが、事情があって信頼できるドッグホテルに一歩くんを預けました。
一歩くんを預ける際、トレーナーさんに「もしかするとマーキングがあるかもしれないので…」と伝えておいたのですが、なんと室内でのマーキングはゼロだったそうです。
抜糸後、シャンプーをお願いした知人宅でもマーキングはなし。
初めて入る室内…しかも他の動物が住んでいる場所だったのに、一歩くんはマーキングをしませんでした。

斯くして
一歩くんのマーキング行動消去完了!
となりました。

一歩くんをお預かりして約二週間、一歩くんのマーキング、脚上げおしっこは完全に姿を消しました。
そして、マーキング行動消滅とほぼ同時に、室内のトイレトレイでの排泄もスムーズになって行きました。
最初はトイレトレイへの誘導が必要でしたが、トライアルに送り出す頃には一歩くんは自分自身でトイレに行って排泄するようになっていました。
予想よりもだいぶ早くマーキングをなくすことができて、最終的には一歩くんが自発的にで室内のトイレで排泄してくれるようになったので、このトレーニングプランはそう悪いものではなかったのではないかと思っています。
マーキング行動がある犬の場合、里親募集で不利な要素になるのでは…と思い、僕にしては必死で考えて工夫して頑張ったつもりです。
そんな僕の必死さが伝わって、一歩くんも理解してくれたのかも…しれませんね。

でも、僕が必死に考えなければならないことは、マーキング以外にもたくさんたくさん山のようにあったのです(笑)

【#2に続く】

asone : j.takagi

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